訪問看護ステーションでは、看護師やリハビリスタッフの働き方をどのように整えるかが、職員の働きやすさだけでなく、事業所の生産性にも大きく関係します。
その中でも注目されているのが「直行直帰」という働き方です。
朝に事業所へ立ち寄らずに利用者宅へ向かい、最後の訪問が終わればそのまま帰宅する。こうした仕組みを取り入れることで、移動時間を減らし、訪問に使える時間を増やすことができます。
訪問看護の求人を探している看護師にとっても、直行直帰ができるかどうかは、職場を選ぶ際のポイントの一つになるでしょう。
訪問看護の直行直帰とはどのような働き方か
訪問看護の仕事では、利用者宅への訪問だけでなく、事業所への出勤や退勤、スタッフ同士の情報共有などにも時間が必要です。
直行直帰を導入すると、例えば朝に事業所へ出勤してから利用者宅へ向かうのではなく、自宅から最初の訪問先へ直接向かうことができます。
また、最後の訪問が終わった後も、事業所へ戻る必要がなければ、そのまま帰宅できます。
これによって、これまで移動に使っていた時間を、利用者への訪問や記録など、より生産的な業務に充てられる可能性があります。
もちろん、すべての訪問看護ステーションで同じ運用ができるわけではありません。訪問エリア、スタッフ数、情報共有の方法、緊急時の対応などを考えたうえで制度を設計することが重要です。
訪問看護ステーションの生産性向上につながる
直行直帰の大きなメリットは、移動時間を減らせることです。
元記事では、看護師50名とPT25名の訪問看護ステーションを例に、1人あたり1日1件、月20件の訪問時間を生み出せた場合の売上機会を試算しています。1訪問あたり1万円とすると、看護師だけで月1,000万円、PTで月500万円、合計で月1,500万円、年間では1億8,000万円の売上機会となる試算です。
これはあくまで一定の条件を置いた試算であり、実際の金額は訪問時間や移動距離、キャンセルなどによって変わります。
ただし、重要なのは金額そのものではありません。
「移動時間を減らすことで、訪問に使える時間を増やす」という考え方です。
訪問件数を増やせる環境をつくることは、訪問看護ステーションの生産性を考えるうえで重要なポイントになります。
訪問看護 看護師にとってのメリット
訪問看護の働き方を考えるとき、看護師側のメリットも忘れてはいけません。
直行直帰ができれば、毎日の出勤や退勤にかかる負担を減らせます。
特に複数の利用者を訪問する看護師にとっては、事業所へ戻るための移動時間を削減できることが大きなメリットになります。
また、訪問件数の増加によって事業所の生産性が高まる場合、その成果を職員へ還元する仕組みをつくることも考えられます。
元記事では、訪問件数に応じたインセンティブを設計し、月額最大10万円程度、年間最大120万円程度の報酬アップにつながる仕組みを例として紹介しています。
つまり、会社の生産性向上と看護師の収入アップを別々に考えるのではなく、双方にメリットが生まれる仕組みにすることが大切です。
訪問看護 求人でも働き方が重要になる
現在、訪問看護 求人を探している人の中には、給与だけでなく「どのように働けるのか」を重視する人もいます。
例えば、
- 直行直帰ができる
- 移動時間を減らせる
- 自分でスケジュールを調整しやすい
- 訪問後に事業所へ戻る必要がない
といった条件は、訪問看護の仕事を検討するうえで気になるポイントです。
そのため、訪問看護ステーション側も求人情報に給与や勤務時間だけを書くのではなく、実際の働き方を具体的に伝えることが重要です。
「直行直帰可能」という一言だけではなく、どのような条件で利用できるのか、情報共有や記録はどのように行うのかまで説明すると、求職者にとって働くイメージがつきやすくなります。
働きやすさと生産性は両立できる
「働きやすい職場」と「生産性の高い職場」は別のものと考えられることがあります。
しかし、訪問看護の現場では、働き方を見直すことが生産性向上につながるケースがあります。
直行直帰によって移動時間を削減し、その時間を訪問に活用する。そして、増えた成果を会社だけに残さず、インセンティブなどを通じて職員にも還元する。
このような仕組みができれば、職員にとって働きやすい環境をつくりながら、訪問看護ステーションの生産性も高めていくことができます。
これからの訪問看護では、「どれだけ長く事業所にいるか」ではなく、「限られた時間をどのように使い、利用者へどれだけ価値を届けるか」という視点が、より重要になっていくでしょう。
訪問看護の求人を検討している看護師にとっても、訪問看護ステーションを経営する側にとっても、直行直帰は働き方と生産性を考えるうえで、一つの重要な選択肢になります。